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再会

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 まるで恋焦がれた女に会いに行くかのように、車を走らせた。ほとんど衝動的に100キロもの距離を……。

 高校時代の同級生に誘われて再開したバンド活動も6年目に入った。ここのところ、活発になってきて仲間も増えた。といってもみんな高校時代の同窓メンバーだけど……。今年、方向性の違いから2つのバンドに分裂した。その両方に参加するため好きだった過去の音源や新しいCDを買ったりして聞いていた。でも、どれもドラムという楽器に興味を持つキッカケとなったポンタの演っているものがほとんど……。ティーンエージャーだった昔も今も進歩が無いなあオレ。

 成人してから、これまでにも何度かポンタのライブを見に行きたかったのだが、なぜか機会を逸していた。ところが昨夜、調べ物でインターネットを見ていて見つけたポンタのライブ。実はその瞬間に行こうと決めていたのかもしれない。

 今日になって、思ったとおり仕事のオファーは入らず、必然ではない仕事に出かけるか、思い切って宇都宮までライブに行くか迷った。やはり思い立って仕事の荷物を積みつつも、東京とは反対に車を走らせる。

 ひさしぶりに見るポンタはずいぶん「枯れたな」という感じ。あたりまえだよポンタに初めて会ったのは僕が17歳の高校生、ポンタは27歳でスタジオミュージシャンとしてバリバリに仕事してたときだもの。

 テレビとかでは見ていたけれど生で見るのはほんとに30年ぶりなんだ。スラリと背が高いのはそのままだけど、顔のシワは年齢以上に見えるのは気のせいだろうか。

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 ライブはというと、21歳のベーシスト大垣知也と19歳のギタリスト菰口雄矢とのトリオ。ポンタのドラムは、最近よく見るバスドラム3つを並べたセッティング。タムやシンバルの数は昔の比じゃないくらい大掛かりなセットだ。

 演奏のほうは、かなり難解。フォデラの5弦ベースの音はちょっと面白いと思ったけど、超絶ギターとの複雑なリズムで、変拍子なのかどうかも良くわからないほどだ。

 ポンタもところどころ見失っているのではと思うほどグダグダに聞こえるからそうとう難しそうだ。事実、最後のほうの超難解な曲では「いっぱい間違えちゃった」と演奏後のMCで吐露していた。ギターとベースも時々「どうなってんの?」という顔を見合わせるもんだから、どっかおかしいんだろうなとわかる。

 でも、完璧に演奏していた若い頃とは違った遊び感覚の自由さが、いかにも人間が演奏している音楽という感じ。打ち込みの音作りやコンピューターで修正するような音楽とは明らかに違う、愛嬌ある演奏ともいえる。親子以上も歳の離れた若いミュージシャンとやるのは、「おじさん頑張ってるね」という感じだ。若い子と合わせるのを楽しんでいる。

 30年ぶりに再会した生ポンタだったが、声をかけることは出来なかった。僕のこと覚えていないだろうかと思うと気後れしてしまうからだ。ちょっと残念。

 これからはチャンスを見つけてもっと気軽に聞きに行ってみよう。(つづく)

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