子鴨、川面を走る!?
御岳から下る途中のこと、川霧が切れたと思ったら、流れの外側の岩沿いを高速で移動する小動物の軍団が……。
なんと、かわいらしくもマガモのヒナたち。6羽くらいが、霧の中からいきなり現れたカヤック軍団にびっくりして全力で水を掻いて逃げているのだ。小さく軽いコガモは、水面から水中へとゼンマイ仕掛けのおもちゃのように動く、大きすぎるくらいの足ヒレの推進力の大きさで体が少しも沈むことなく、水面を滑るように移動して行く。
よく川で見かける親鴨たちは、そんなにびっくりして逃げることが無いのか、体が重いのか、どんなに急いでいても水面に浮かんだカヤックのように進む。いくら羽が水をはじくと言っても体の何分の一かは、水面下に沈んでいる。ちょうどフネのように。もし体が浮き上がって水中から足が見えるほどの動きが見られるとしたら飛び上がる時の動きカモ……。
ところが慌てたときのヒナときたら、まるでジェットスキーか水中翼船(ちょっと古いか)のように水面から浮き上がらんばかりに滑るように進むから、まるで氷の上を腹で滑っているみたいに見える。まったく自然の中で暮らす生き物たちの計り知れない能力には驚かされる。
その夜、酔い覚ましにWN前の中州の河原に降りようとしたら、中州との間のエディーからけたたましい水音をさせて逃げていく動物がいた。姿はよく見えなかったが、音の大きさに結構な大きさのイタチかなにかかと思った。鯉が水面を打って逃げる音とは違う。
中洲のベッドでしばらくうたた寝してから起き上がると、いつの間に戻ってきていたのか、こちらの動きに驚いてまた逃げる音。今度は目が慣れていたので姿がおおまかに見えた。かなりの大きさの獣とおもっていたのは、やはり思い違いでなんとこれも、コガモたちだったのだ。
一羽だと非力に見えるヒナたちも何羽も集まっていると、その音の大きさに一瞬ひるむものなのだなあと、妙に感心した。
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